前回は「契約の重要性と基本構造」についてお話ししました。第2回目となる今回は、契約が法律的に成立するための要件についてご説明します。
契約とは、一種の約束であり、「口約束も契約だ」などと言われることもあります。もっとも、契約として法的な効果が認められるためには、次のような一定の要件を満たす必要があります。
1 申込み
最初に、一方の側から契約を結びたいという意思表示をすることになりますが、これを「申込み」といいます。例えば、「この土地を1000万円で購入したい」といった例が考えられます。
2 承諾
申し込みに対して相手方が同意する意思表示を「承諾」と言い、これにより契約が成立することになります。例えば、さきほどの申込みに対して、「その土地を1000万円でお売りしましょう」と返すのが承諾にあたります。
3 意思表示が合致すること
申し込みと承諾が合致すれば、契約が成立することになります。
何が申込で、何が承諾か
このように見てくると、契約の成否はとても簡単に判断できるようにも思えますが、実際には難しいケースもあります。
例えば、就職をめぐるやり取りの例でいえば、会社は、学生等に対し、新入社員の募集をかけ、これに対して学生が応募し、その後のチェックを経て採用内定が出る、といった過程をたどることが多いでしょう。
スタートの会社からの募集を申し込みとしてしまうと、学生が募集すればすべて契約成立となってしまい、会社はそのすべてを雇用しなければならないという甚だおかしな結論になってしまいます。
そこで、申込は学生から会社に対する応募、採用内定通知が承諾、ととらえることになります。会社からの募集は、申込をさせようとするもの、という位置づけになるわけで、このようなものを申込の誘引といいます。
重要な合意は必ず書面化を
意思表示の合致があれば、口頭でも成立が認められることもありますが、ビジネス上では、少なくとも重要なものについては必ず書面化し、双方で内容を確認することが重要です。