近年、サプライチェーンの中断リスクが企業経営に大きな影響を与えています。パンデミックによる物流停滞や地政学的な緊張、自然災害の増加により、部品や原材料の供給が不安定になるケースが増加しています。
日本国内でも、東日本大震災以来、緊急時におけるサプライチェーンの維持に工夫を凝らしてきた企業が多く見られましたが、現在は、更に大規模で、しかも多くの複合的な要因による影響が懸念されています。このため、多くの企業がサプライチェーンの多元化やデジタルトランスフォーメーションによるリスク管理を強化しています。
法的な観点からは、サプライチェーン上の契約関係やリスク分担の見直しが重要です。契約条項において不可抗力条項の再検討や、納期遅延に対するペナルティの設定、価格調整条項の導入などが従来以上に検討されるようになりました。
また、取引先の倒産リスクや法令違反による信用リスクを軽減するためのデューデリジェンスも欠かせません。順調に始まった取引でも、いつまでも安泰ということはむしろ珍しいもの。こうしたリスクに対応するための戦略的な契約書の見直しや、サプライチェーン全体のリスク管理体制の構築をサポートするためのご相談が増えています。